今日から予算特別委員会が始まりました。初日は総括質疑と議会費です。総括質疑では毎回雇用の問題を取り上げています。最初の質問だけは区長が答弁するというのが、北区の予算特別委員会の通例となっています。その為、最初の質問はあらかじめ区側から原稿を求められます。もちろん原稿を出さない議員もいるかもしれませんが、きちんと答弁をいただく為に、私は最初の質問だけ原稿を提出することにしています。
以下、その文章をそのまま掲載します。
『それでは、新社会党議員団の総括質疑を始めさせていただきます。まず、毎回やっておりますが、労働情勢について少しお話をいたします。数字は総務省統計局の出している労働力調査の2015年10月から12月の平均値というものを主に参考にしています。
労働者のうち役員を除く雇用者が5322万人、正規雇用が3307万人、非正規雇用が2015万人です。私が議員になって、初めて一般質問したときにも同じく労働情勢についてお話をしました。当時は2011年9月ですけども、役員を除く雇用者の数は5192万人、正規雇用の数は3416万人、非正規雇用の労働者の数は1776万人でした。全体として、役員を除く雇用者の数は当時から130万人ふえているというものの、その内訳は非正規雇用の数が239万人ふえて、逆に正規雇用者の数は109万人減っています。現在の労働状況が非常に厳しいものだということがわかります。
特に女性の非正規率は高くて、男性非正規率22%に比べて、女性での非正規率は57%となっています。また、非正規雇用で働く人全体のうち、女性の割合は68%、非正規雇用労働者の3人のうち2人が女性ということになっています。男女間の賃金格差拡大の原因ともなっており、さまざまな国際機関からこれは差別的取り扱いではないかと指摘されております。
また、この間の雇用者数の伸び、雇用環境が改善したのかというよりも、実は現役を引退した世代が働かなければ生活できなくなったといった実態が多く、65歳以上の就業者の数は、2011年9月には573万人でしたけども、2015年12月になると750万人となっており、177万人、65歳以上の就業者の数がふえていると。先ほど挙げた雇用者数の伸び、130万人と比べてみても、雇用の改善というよりも、引退した世代の生活が非常に厳しいというものがわかると思います。
また、非正規雇用の労働者のうち正規の仕事がないので、非正規として働かざるを得ない人、不本意非正規と呼びますが、男性非正規641万人のうち154万人、26.1%であり、女性非正規では1374万人のうち148万人、10.8%です。数字は、先ほど言いましたけど、総務省のデータです。就職氷河期と言われたときに新卒として社会に出た、現在四十代の労働者の不本意非正規と呼ばれる方が多いことが大きな問題としてさまざまなメディアでも取り上げられています。
また、総務省就業構造基本調査では、初めて就職する新卒者のうち男性三割、女性五割、合計四割が非正規として就職している。初めて就職する新卒者の四割が非正規として就職しているとした結果が出ています。また、その後、一度非正規として働き始めると、正規職として転職するのが非常に困難であるということも言われております。こうした労働状況及び生活の厳しさから、私たちは雇用状況の改善こそが急務であると考えております。
そうした中、自治体で働く非正規職員が急増しているということが全国的な状況となっています。いわゆる非正規公務員と言われております。2012年、総務省調査で地方自治体で60万3582人、非正規で働く公務員の方がいます。公務員の三人に一人が非正規という状況であり、そのうち非正規のうち74.2%に当たる44万8072人が女性です。
特に最近、都道府県や政令指定都市などの自治体のうち、三割以上で非正規公務員の育児休業制度がないといったものが話題になりました。NPO法人官製ワーキングプア研究会が行った調査で、計221自治体が対象ですけども、その三割の中に北区も含まれております。東京二十三区の中では18自治体が育児休業制度について回答していますが、その中で非常勤職員の育児休業、部分休業を認めていないのは北区を含めた三区だけです。
そこで、質問します。北区は「子育てするなら北区が一番」を掲げる自治体であり、また来年度予算では女性の活躍支援を打ち出しています。そんな北区だからこそ、非常勤職員の育児休業制度の整備は喫緊の課題かと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。
あわせて、先ほど新卒者の四割が非正規として就職し、その後、正規職につくのが非常に困難だという話をしました。このような事態を区長はどうお考えでしょうか。
また、そうした中、来年度予算では子どもの貧困対策として学習支援や貧困家庭の実態把握と支援ニーズの調査をするとしていますが、今、説明した労働者の就労実態を見ると、区内に住む労働者の、特に若い世代の就労実態を把握することが子どもの貧困に大きくかかわってくると考えます。北区ではそうした雇用の調査活動を行っていくのでしょうか、あるいは行っているのでしょうか、お答えください。』
区長の答弁も掲載します。
『福田委員からの北区における非常勤職員の育児休業制度の整備や新卒者の就労実態の認識などについてのご質問でございますが、まず北区の非常勤職員についてですが、平成二十八年四月一日から女性職員の妊娠、出産、子の看護、親族の介護に関する休暇制度を新たに導入いたしました。育児休業制度につきましては、非常勤職員の任期が一年であること、特別職の非常勤職員には、東京都も制度を導入していないことなどから、現時点では制度の導入は予定しておりません。非常勤職員の任用や勤務条件の整備については、今後とも他団体の動向も注視しながら、適時適切な対応を行ってまいります。
次に、総務省の調査に基づく非正規雇用についての認識ですが、平成六年から徐々に増加している傾向があります。正社員を選ばない方々もいますが、正規職につくことが困難な方々もいらっしゃると思います。東京労働局では、非正規雇用労働者の正社員転換、待遇改善の実現に向けた取り組みを推進しており、現在、都内ハローワークにおいても支援キャンペーンを実施していると伺っています。これらの動向を注視し、区としては連携が可能であるか検討してまいります。
なお、貧困対策を総合的に進めていくために、来年度貧困状況にある子どもや家庭の実態把握とニーズ調査を行いますが、区内に住む労働者を対象とした雇用調査は予定しておりません。
以上、お答えとさせていただきます。』
こうした答弁の後、個別の課題について質疑を続けました。非常勤職員の育児休暇の問題、非正規労働者の増大の問題にからめて区の職員条例について、そして、臨時職員の雇用の問題に入ったところで時間切れとなりました。続きは2日目に行います。
そして、議会費です。これは6月8日にホームページにアップされた議事録をそのまま載せたいと思います。(その為に更新が遅くなったわけではありません。遅くなってすみません。)
『◆福田光一委員
三点質問を用意させていただきました。
まず、今年度導入された障害者向けのシステム、マイクで通してしゃべったものがタブレットに飛ばされて、文章になる。そのシステムについてお伺いします。
幹事長会の報告というものがあります。この会議の性質とか、立ち位置というのがよくわからないんですけども、非交渉会派の幹事長が応接室を使用して、幹事長会の中身の報告を区議会事務局より受けるというものです。知らない方もいると思いますので、簡単に説明しておくと、昨年度まで私たち非交渉会派の幹事長も幹事長会にオブザーバーとして参加することができたんですけども、今期初めに行われた各派代表者会のときに、交渉会派の人数が決まったと同時に……
○渡辺かつひろ委員長
委員、よろしいですか。幹事長会は公的に認められている形のものではなく、議員の……
◆福田光一委員
説明ですので、最後まで聞いてからでよろしいでしょうか。最後まで聞いてもらってよろしいでしょうか。
○渡辺かつひろ委員長
幹事長会のあり方に関する議論というのは、この場で扱うべき事例ではないので、指摘しておきます。
◆福田光一委員
今期初めに行われた各派代表者会のときに、交渉会派の人数が決まったと同時に私たち非交渉会派の人間が各派代表者会から追い出されて、そして私たちのいないところで交渉会派の人たちのみで代表者のそろっていない各派代表者会を行い、その後、ようやく私たちの参加が認められたときには、幹事長会には私たち非交渉会派は出さないと言われてしまったと。その交渉会派の人たちの中でも意見が分かれ、話はまとまらなかったと聞いておりますが、なぜかそのような取り扱いにされてしまいました。その後、幹事長会でどのようなことが報告されたのかをこの幹事長会の報告というところで聞くわけです。
私はこの議会のありようは不当だと思いますけども、もちろんご存じかと思いますけども、聴覚障害を持つ議員の方がおります。この方は幹事長会の報告に参加しております。私たちは報告会を何度か行うことにより、聴覚障害を持つ議員の方との意思の疎通がなかなか十分にはいかないと感じております。彼女はまだ議員一年目。北区議会のあり方も完全には把握していないと思われます。だからこそ、幹事長会の報告を受けるたびにさまざまなフォローをしながら助け合っているんですけども……
○渡辺かつひろ委員長
委員、再度申し上げますが、幹事長会に関する議論はこの場で議論することではないので、よく考えて発言してください。
◆福田光一委員
予算に関することを言っているんですけど、最後まで聞いてください。
私たちは意思の疎通が不十分であると。そこで、先般導入した音声システムを使えないかと打診したところ、マイクの設備がないところでは使用できないという答えだった。そこで、そのシステムを使うことのできる委員会室を使わせてもらえないかというお願いです。
音声システムは議会で購入したものなので、私たちが簡単に使わせてくれと言っても、使わせてもらえないのはわかっているんですけども、しかし幹事長会は各会派の連絡調整のために開かれていると。そして、非交渉会派もオブザーバーとして出席するので、しかし今私たちはそれに出られないのであって、幹事長会の報告で立ち位置はわかりませんけども、連絡調整のため、これの意思の疎通が不可欠なはずだと思っているんです。この幹事長会の参加が第一ではあるんですけども、ぜひ連絡調整のしやすい環境を整備してほしいということで、これをお願いしている次第であります。
幹事長会の報告で使わせてくれという話なんですけども、そこで先ほどこの場で話すことではないと言われましたけども、私は議会費に関係があると思って話しております。例えば幹事長会は関係ないと言いましたけども、今年度、来年度も海外派遣団がつくられますよね。
○渡辺かつひろ委員長
委員、よろしいですか。タブレットの使用に関する範囲につきましては、幹事長会にてその範囲を定め、連絡を申し上げているものであり……
◆福田光一委員
その幹事長会に参加できないんです。
○渡辺かつひろ委員長
幹事長会のことは、(発言する者あり)よろしいでしょうか、一旦ご着席いただけますか。幹事長会に関する議論は、先ほど福田委員のご発言の中にありましたタブレットの使用等に関する範囲のことに関しましては、幹事長会にてその範囲を定めているものであります。つきましては、幹事長会の質疑の中身というものは、この場にて議論するものではありませんので、ご注意を再三に及び申し上げたものであります。
◆福田光一委員
幹事長会で定めることだから、この場ではできないと言われたら、私たちはどこで予算のことに関して話せばいいんですか。例えば海外派遣団をつくりますよね、今年も。現状では、この会派構成でいくよ。それで、その報告が私たちにされるわけです。その会派構成がどういう提案でつくられたものなのか、どの会派が賛成して、どの会派が反対したのか、そういうこともわからないんですよ。これは議会費に関係することじゃないですか。幹事長会に出られないから、私たちは議会費についてよくわかることができない。
例えば行政に置きかえてみてくださいよ。行政で勝手にルールを変えて、自分の好き勝手に行政運営して、それで予算がちゃんと執行できるかと思わないでしょう。そういうことを今言っているんです。議会が今まともに運営されていないと私は考えております。ですから、こういう状況を改善するためにも、幹事長会へ私たちを出席させることを望みます。これは議長に求めておきます。
三点用意して、音声システムが一点目、これが二点目、三点目……
○渡辺かつひろ委員長
委員、よろしいでしょうか。幹事長会の内容については、議会費などで取り扱う項目ではありません。決算特別委員会の際の委員長と議会費の中でそれぞれやりとりがありましたが、その事例に合わせて、ここで取り扱うものではないというふうに判断しております。
◆福田光一委員
今、途中までしゃべったんですけど、一点目が音声システム、二点目が幹事長会、三点目、先ほど坂口委員が言った予算・決算特別委員会の録画放送についてなので、三点目はやりません。
以上。』
まだ、説明の途中なのに発言をやめさせようという状況がわかると思います。また、議事録ではわかりませんが野次もものすごかったです。
ところで、音声システムについて答弁がありませんでした。発言はどんどん遮ってくるのに、都合が悪いことは答弁しないようです。
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